篠山層群の岩と古土壌
「それにしても、ここの岩って、なんだか赤っぽいね。これって昔から?」
「うん、確かそうだったと思う。多分、赤さびと一緒で酸化するからかな、赤い泥が広がっていた記憶があるよ」
「へぇ。あ、なに、この丸いの。そこだけ灰色だけど」
泥に残った生物の痕
「そういや泥に穴掘って、かくれてたのもいたよね? 確か。そいつが掘った穴に、砂が入り込んだのが残ったんだろうね」
「うわあ、どんなのがいたんだろうね」
「うーん、それは覚えてないなぁ。ほら、這ったような痕もあるし、なんかね、小さな奴だったと思う」
地層が語る当時の環境
「すごいなぁ。なんでも残るんだ」
「そういうわけじゃないけど、ほら、こっちのこの小さな穴。あの頃さ、雨も降ったんだけど、その時の雨滴があけた穴だと思うよ」
「すごいなぁ。思い出の卒業アルバムみたい」
「まさにそんなところだね。だからこうして、思い出を語りあえる」