そもそも、第一発見者の二人は、こんな渓谷で何をしていたのだろうか? 二人の証言によると、「砂管(サンドパイプ)」と呼ばれる化石を、趣味で探していたという。
■小さな生命が残した痕
二人が探していたサンドパイプ。それは、大昔の地表に暮らしていた生物の巣穴の痕だといわれている。
泥に掘っていた巣穴が砂で埋まり、そのままの状態で石となったものだ。泥岩の中に円柱状の砂岩が埋まっているように見える。
■偶然の発見
そう言われてみると、確かにこのあたりの岩には、大昔の生物が生きていた痕がたくさん残っている。
二人の発見は、そのようにして大昔の生き物の痕跡(生痕化石)を探す中で、偶然に見つかったものだったのだ。