事件簿008
「現場百回  はんらん原」

事件簿008「現場百回  はんらん原」

丹波竜の発見地に降りようと、ふと足元の坂をみると、ずっとコンクリートでできていると思っていたが、よく考えると、1億1千万年前にコンクリートがあるはずがない。

■小石の混ざった地層

とすると、どうやらこれも地層だ。コンクリートのようにしか見えないが、これが地層だとすると、ここに含まれている小石は、1億1千万年前の地表に転がっていた石ということになる。
れき岩つまり、1億1千万年前、ここは小石や砂が集まった河原のような場所だったのではないか。

■泥、洪水、河原

周囲をよく見渡すと、このあたりの地層は、こうした小石を含む岩や、級化層理になった岩、そして泥岩などが繰り返し積み重なっていることがわかる。
地層説明河原だったり、洪水だったり、泥の状態になったり。そう考えると、この辺りは、川がはんらんを繰り返していたような、大きな氾濫(はんらん)原だったのだと考えられる。丹波竜は、そんなところに暮らしていたのだ。